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展示ケースからM

軍国主義時代の木銃と短棒


「一年六組畑清一郎」(注=高二期)と記された木銃がある。 
これは畑氏が昭和19年旧制豊中中学入学時に教材として購入させられたものである。
 長さ1.65メートル、重さ1.34キログラム。 多分、樫で作られたであろうか、手に持つとズシリと重い。
当時の中学一年生の平均身長約1.45メートルであることから推定すれば、この木銃を使っての教練の授業は、この長さと重さを考えるとかなりの負担であった。 それでも上級学年になって使うであろう軍隊払い下げの銃までの予備期間として真剣に使いこなす努力をしていたのが、戦時中の旧制中学低学年の生徒の姿であった。
 しかし、この木銃、単に教練の授業だけに活用されただけではない。 
昭和18年には豊中中学報国団(校友クラブの改称)の中に作られた銃剣道班は「木銃空間刺突」で大阪府下の中学対抗競技に上級学年の生徒が出場し、本校は60校中16位内に入ったという記録が残されている。